食事に対する考え方
食こそが、元気と楽しみと、生きがいを生む。
わたしは将来自らが入居したいと思う施設をつくりたいと考えています。そのための重要ポイントのひとつが食事です。一般的な施設では仕出し弁当など出来合のものを提供するところがますます増加しています。毎日では飽きてしまい、食事も残しがち。当然、満足感を得られず、間食したり、栄養面に問題を抱えたりするケースも目立ちます。
健康的な暮らしを続け、元気に毎日を過ごすには、なんといっても食事は大事です。また、楽しみであり、生きがいでもあります。そこで、少しずついろいろな種類の料理を提供するよう心掛けています。家庭菜園で収穫した無農薬野菜を中心に、バランスに留意。決して豪華ではないけれど、どこか懐かしくなるような家庭料理です。また、器もありきたりなプラスチックではなく陶器を用い、目でも味わえるよう形や彩りも工夫しています。
おかげさまで、食事は大好評。皆さん、毎食を楽しみにしてくれているようです。しっかりと食事を摂って体力もつき、元気で長生きしてほしい。それがわたしたちの願い
家庭菜園
生き生きと、体を動かし、土とふれあう。
敷地内、そして徒歩数分のところにある畑を利用して野菜づくりを行っています。種を蒔いた野菜が芽を出し、成長し、収穫の季節を迎える。野菜の成長に寄り添って、入居者様たちは時の流れを感じることができるのです。収穫した野菜を手にすると、入居者様たちは満面の笑みを浮かべています。
収穫した野菜は日々の食事の食材となります。畑で収穫した新鮮な野菜をすぐに味わえるのは、入居者様にとっても大きな楽しみです。
野菜の世話や収穫のために外出するのは、入居者様にとって生きがいとなり、元気の源となっているようです。現役時代、農業に従事していた方々は、畑で生き生きとした姿を見せてくれ、改めて土の力の偉大さを感じさせられます。
家庭菜園では、今後、さらに野菜の種類を増やし、四季折々いろいろな野菜の栽培を楽しんでいけるようにしたいと考えています。
完全入れ替え制の入浴
あたりまえの日常を、あたりまえに提供したい。
わたしたちは事業者側の都合を押しつけるのではなく、あくまでも利用者の生活を最優先したいと考えています。入浴についても、この考え方を適用してきました。
他人の入った湯船につかるのは気持ちのいいものではありません。居住者用・デイサービス用ともに浴室では、一人が入浴を終えたら、お風呂のお湯を完全に入れ替えています。(完全個浴)
また、失禁などがあった場合は速やかに風呂・脱衣コーナーでスタッフが対応し、パブリックスペースは常に清潔を保ち、利用者の生活を尊重したいと考えています。
ストレスがかからないよう、常に清潔でさっぱりと過ごしてほしい。わたしたちスタッフも細やかに気を配りつつ取り組んでいます。
地域交流
助け合い、支え合い、高め合う。
玉村町が認定する「ふれあいの居場所」は町内に15カ所あり、「芝さくら」の一角にある地域交流サロン「ほっと茶屋」はその一つです。このスペースは地域の人々に開放しています。
例えば、ここを地域の高齢者サークルが利用し、それをきっかけに施設で暮らす人、デイサービスの利用者を巻き込んでの交流に発展しています。地域とのつながりは施設で暮らす高齢者にとって刺激的な経験です。
また、地域の方々に利用していただけることで、「サ高住」という施設に対する理解も高まり、自分自身の老後を考えるきっかけにもつながると考えています。なるべく要介護度が低いうちに備えることが健康寿命の延伸には効果的ですから、そんな事情を伝えることも地域貢献の一つではないかとというのがわたしたちの想いです。
そして、施設を開かれた空間にして地域と交流することで、わたしたち自身もまた外部の視線を集めることになります。自信を持って「良質な介護を提供しています」と胸を張れるように、わたしたちもさらなる高みを目指して日々の介護に取り組んでいく決意を新たにできるのです。